大人の為のファンタジー 初夢に願いを込めて
廉譲堂太極山荘 荘主
今年は世界を震撼させている新型コロナウイルス感染症に私達の平穏な
日常生活が奪われています。WITHコロナの掛け声の下、新たな日常生活が
始まりました。私達、太極拳士は新たな年をWITH太極拳の下で乗り越える
べく、2021年元旦に日の出と共に船出します。
実は日本人の儒学者 萩生徂徠(おぎゅう そらい) が白帝城を詠った李白の詩「早発白帝城」にちなんで犬山城を別名白帝城と命名しました。白帝城は中国大河「長江」の丘状にあり、武式太極拳 李亦畲先師が解釈した「廉譲堂太極拳譜」の書き出しの一節「長江大海の如く絶えることなく流れる」。太極拳、一名長拳、又名十三勢、長拳者、如長江大海、滔々不絶也、に健康の秘訣が託されています。日本を代表する大河「木曽川」の丘上には犬山城 別名「白帝城が」築城され、木曽川を遡ること数キロ先に「廉譲堂太極山荘」が開かれました。これは偶然の一致なのでしょうか。私達は困難な時代を乗り越えるため歴史のロマンに緒(いとぐち)を求めて船出いたします。その為の鍵となるのは、廉譲堂太極山荘庭園に描かれた三つの太極図です。
劉紅年老師からこの太極図には太極拳を学ぶ上で重要なキーワードが
隠されているとの事です。小円の太極図には「己を知る」、中円の太極図
には「己を研く」、そして大円の太極図は「己を捨てる」。この境地に
至るには万回練習あるのみです。
私達は大河「木曽川」を下りやがて「大海原」に到達出来るよう激流や
大岩、流木等の困難を乗り越えると共に渓谷の美しさ、四季折々の風情を
楽しみながら境地を目指します。
それでは良いお年をお迎えください。
初夢でお会いしましょう。
第47回 太極拳談議サロン 毎日初心者年記/Vol.6
名古屋市 まるやま 太極拳から発想した遊び Vol.3
2020年6月14日、劉先生の言葉に肘が伸びているのが少林拳、
肘が曲がっているのが太極拳とあった。拳の優劣ではなく、
風土や思想、用途の違いで形式に変化が帯びるのだと思った。
日を越して練習後に過去ブログを見ていて気付く。
長い棒を持ち「寸剄」なる技法だ。
幼少の頃に「尺剄」なる技法を見た。腰の位置から拳を
突き出すのだが、振りかぶった打技と同様の威力があった。
ここからは推測だ。寸剄は尺剄よりも短い距離で通常の打技
と同様の威力を伝えるのだと思う。大きく伸びやかに育ち、
いずれは小さく凝縮する。そんな大観を一連の経過に観た。
さっそく遊びで取り入れよう。
大きく伸びやかな動作を抽出し、最小化して行える歩法を考えた。
No.3 –歩法-
第三段にある左右一対の形
1.軸足(左)、左掌は地面に向けて空気を押さえる、上げる足(右)、
右手は前方へ突き出す
2.軸足、空気を押さえる動作、突き出す動作を左から右へ移す
3.軸足(右)、右掌は地面に向けて空気を押さえる、上げる足(左)、
左手は前方へ突き出す
4.1~3の動きを最小化させて歩く
第46回 太極拳談議サロン
毎日初心者年記/Vol.5 名古屋市 まるやま 2020/08/10
新型コロナウイルス感染症の影響で世の中が不安で明るい未来が
開けない昨今、まるやまさんの投稿から、私達は初心に戻って
楽しく太極拳練習をする事の重要性を読み取る事が出来ます。
太極拳から発想した遊び Vol.2
昨年、姪が生まれ抱き抱えた。腕に伝わる独特の熱量、そして重さ、
ジ~っと見つめる眼。信用して嫌がらず身を預けてくる姿に思わず
頬が緩む。この独特の感触はいくつになっても良いものだ。
そんな姪も1歳になり、今のお気に入りはアニメの主題歌にのせた
屈伸運動だ。何度も何度も何度も何度も・・楽しい事は何度も
続ける。好きで面白いから繰り返す、赤ん坊にしてみれば1つの
動作も遊びなのだ。
かくいう私も理に身を預ける遊びを考えた。
赤ん坊のように何度も繰り返し、膂力で落とさず重力で落とす。
No.2 -腕を重くする-
1.手を高く上に挙げる
2.肘を前に向ける
3.脱力して重力に逆らわず、肘から地面にむかって落とす
毎日初心者年記/Vol.4 名古屋市 まるやま
連載4回目の投稿です、伝統太極拳の奥儀が垣間見えますね。
伝統楊式太極拳1式 学び始めて1年が過ぎた頃、先輩から「技の名前を知れば、より深い理解に繋がる」と助言をもらった。「なるほど」と思いながら先生に相談するも何故かハッキリとしない印象を受けた。それから数日、85式の技名を検索しようか迷ったが思い切って止めた。時が来れば師が伝えるだろうし、師と仰ぐなら全てを任せるべきだと思った。今必要ないから与えられないのだと考えるようにした。
どんな状況下で心が落ち着いていようとなかろうと、身も心も85式が染みついた状態になってから技として分断すればいい。それまでは1套路=1式と知るのが良い。その方がイメージは無限だ。
言葉はイメージの方向を決定付ける。より明確にする。しかし一旦イメージされた内容を払拭するのは困難だ。知ってしまったら元の価値観には戻れない。それなら無限のままが良い。
さてさて、今日も無限に浸る。
練習だ~!
第43回 太極拳談議サロン
毎日初心者年記/Vol.2 名古屋市 まるやま
習い始めて3カ月した頃の嘗ての自分、バランスを習得するという目的が得られたら良かったので武術の側面を受け入れきれずに学んでいた。丁度その頃、先生方が話される「太極拳は武術だから」という意味がよく分からなかった。でも、1つの事が起きて私の認識は一変した。怪我だ。想定していない事が起きて日常を確かめ始めた。
日常と非日常は、どこか離れていて欲しいと思うし思いたい所。しかし、その関係は重なるガラスのようなもので、日常という色が無色になった時、非日常という別の色が突然現れて頭が混乱する。日常と非日常が合わさって1色を形成している事に気付けていないことが原因だ。それからは武術という非日常を考える日々になった。武術は矛を止める守り手であっても、結局のところ戦闘術で敵を壊すための技術だ。でも、先生方は太極拳を通じて自身を育み哲学の領域まで昇華している。これはどういうことなのか。
2020年5月24日。久方ぶりに道場が開場した。練習前後に話される先生の言葉には色々と気付かされる事が多い。この日は先生が疫病から身を守るため、日常的に行っている事をご教授頂いた。
「掌は自分の側に向く。だからボタンは指の腹ではなく関節側で押す。掌で菌を顔に付けないようにすれば感染の危険も少なくなる」のだと。まさに金科玉条の言葉だ。菌から身を守るための考えを聞いたからではない。日常に起こりうる危険を想定して生活していることの証明を得たからだ。
かつて老子が説いた。「人は家や壺を作る。その用を成す価値は中の空間にある。」のだと。
太極拳が壺の外側で、練習を通じて育まれた哲学が中の空間なら、武術を学ぶ価値はそこにある。身に降りかかる危険を想定し技の用途を考えて、練習。いざ危険な状況になった時、自動的に身体が反応するほど、練習。練習した質と量だけが、頭が真っ白になっても危険を回避する。
ただ、理想は太極拳を使わないのが一番だと思っている。
未来を予知する速さで危険を察知して、スタコラサッサと逃げるが勝ち。戦えば痛いし、疲れるのは辛いだけ。
さあ、もっと練習しよう!!
第一回 https://liu85taikyokuken.dou-jin.com/Entry/221
記 2020/05/25
太極拳を始めて・・・その3 愛知県東浦町 平 さん
『太極拳は健康に効果がある。』との言葉はよく耳にしますし、私もそう思って伝統太極拳の門をたたきました。その経緯として私なりに感じたことを整理してみたいと思います。
私が太極拳の道場に通い始めて5~6年経過したころ数人の先輩方との雑談の中で“太極拳を始めてから風邪をひかなくなった。”“私も”“おれも”・・・そう言えば《私も風邪をひかなくなったな。》との実感があり、《これが健康にいいと云うことかな。》と漠然とした納得でした。
話は変わって、色々なメディアで「免疫力を上げるためには体温を上げることが重要。」そのための方法として、食事、入浴、運動や睡眠等がいろいろ説明されています。
また、ある話によると「免疫力が正常に保たれる体温は36.5℃程度といわれており、体温が1℃下がると免疫力は30%低下し、逆に1℃上がると一時的に5~6倍アップするともいわれる。」との情報もあります。
ところで、最近の情勢から会社では、3月初めから毎朝体温を測って登録するようになりました。3月下旬に私が所属するグループの表を見ていて気付いたことですが、「年代によって体温に差があるのでは」ということです。30~40代は36.5℃付近、60代は36℃付近、70代では35.5℃付近です。年齢が上がると体温が低下しているようです。
その中で後期高齢者の私はと云えば35.5~36.7℃とバラツキがありました。
なぜだろうと思い表の日付と手帳との睨めっこです。そこから見えてきたのは、忙しさを理由に(自主練習を含んで)練習を休んだ翌日は35.5℃付近、道場で翌日足が張るような練習をした翌日は36.7℃付近。自分なりの練習では36~36.3℃です。《数字は正直だな。・・・感想です。》
課題がはっきり見えてきたような感じです。
(断定すると後が怖いのでぼかしました。)
太極拳談議 新しい時代 令和に思いを寄せて
2020年 令和二年二月二日 安井 先生
令和時代の星 (伝人) よ輝け
◎「初春に 拳友集い 令和明るく」
1月11日の新年交流大会では二人の女性 (新人? 若い人?) が挨拶されました。 井ノ口さんからは「昨年11月の道場開所7周年大会で 劉老師の太極刀の演武を見て迫力は足腰にあると改めて実感 (借 地力・大地との会話) 新たな目標に向けて頑張りたいと。」
吉田さんからは「太極拳を気功の宗教と誤解をしている人々に太極拳の健康効果を話し、理解して頂いた。」と二人とも素晴らしい話であった。
令和日記に託した思い、「①富士を頂き、②蔵鷹閣(道場)で、③何をなすか)」
私の初夢がかなった思いです。今年始めての劉老師の講義を漢字一文字で表すと『帰』ではなく『未』です。劉老師は『未練』、今だ修行中、李亦畲大師は
『未化』と表現されたとの話である。【綿拳・化拳】との関係があるのか。
『未化』に込められた李亦畲大師の思いはどの様なものであろう。劉老師は
「我今だ変化せず、修行の途中」とだけ話された。李亦畲大師はどんな変化を思い浮かべられていたのだろうか。頭の中を私の勝手な想像が駆け巡る。
(一) 孵化 太極拳と出会う
(二)開花 太極拳の素晴らしさに目覚める
(三)進化 修行、日々鍛錬
(四)神化 「無」・「悟」 未知の世界
「未」の漢字で思い浮かぶ言葉は、年賀状で使う「長楽未央」として日々の練習の座右の銘とします。
小山観音で突く鐘の音は静かな山里に、川面に流れ、突く人の性格が表れるという。今年も楽しみにして一番先に突いた。
◎「鐘の音が 川面を伝い 流れ行く」 昨夜の講義が思い浮かぶ。
気の流れ、エネルギーの流れる身体作りは、「只管打拳」なり。ひたすら練習あるのみ。今年の私の鐘の音は驕りもなく、畏縮もなく身の丈に合ったものだった。しかしこれで満足してよいものでしょうか。『未』来年は「更上一層楼」の
鐘の音を求めて太極拳語録(極意、格言、教え・・・)を石に刻み、胸に懐いて頑張ろう。
伝統太極拳談議サンロ第41回
毎日初心者年記/Vol.1 名古屋市 まるやま
2019年9月22日。劉先生と武川先生の御二人から「体感したことをブログに
書いてね、毎年更新ね~」と話されたので、穴があったら入りたい
初心者ですが恥ずかしながら記します。
諸先輩方、初学者の悩ましき移ろいにご助言頂けますと幸いです。
学び始め~
2018年10月、初めて劉先生にお会いし感じた第一印象は「この人、ヤバい人だ」です。
背中からあふれ出る嫌な汗が止まらずシャツもパンツもビッショビショ。
笑顔で近づいて来られたので引き下がるわけにもいかずジッとする
しかなかった。こちらが話しかける時は先生の前に回ってから話かけないと
命が危ういと感じた。本当に怖かった。
ホームページに写っている廉譲堂の太極拳士達は本当に良い笑顔だった
ので、この中で学びたいと思っていたけれど、この日は更に劉先生から
「練習して練習して練習したから今の私がある。だから、まるやまさんも
練習してください」という言葉をもらった。廉譲堂に出会って良かったと
感じ、ここで学ぶ決心をした瞬間だった。 記 2019/09/23
お風呂で感じたこと 東浦町 平さん
お風呂で湯につかりながら何気なく湯を体に寄せていた時にハッと
気づいたことがあります。寄せるスピードによって体に感じる現象が
異なることです。速過ぎると乱れた強さ、遅すぎると感じない位弱い、
適度の速さで動くことによって湯が素直に身体に働くようです。
先生の言葉のいくつかを紹介します。
1.「太極拳の速さは1套路30分ぐらいのペースで。」
2.(練習中に体や腕に、何か走る感じがする。)と言うと「たぶん、リンパ液?が動いているのでは。」
3.「練習すると体は温まりますよ。寒いなら練習しなさい。」
4.「太極拳は内臓のマッサージです。」
5.「一つの型の中で4回座る。」
と言われています。が、いまひとつピンと来ていない内容もありました。
冒頭の体験によって、この5つの内容が一つに結びつきました。
“ある速さで、足―(跨)腰と動かしていくと、体内のリンパ液?が反応して動き、その動きによって内臓がマッサージされ、次の動きの前にワンテンポ落ち着かせて、次の動作へと継続していくことによって、繰り返しマッサージされ、体の内部から温められている。”と、勝手に納得してしまいました。
また、体内水分はある年齢を境に、年齢と共に減少の一途とのこと。若い時はタップリ水分があるのでいいのでしょうけど、私はバッチリ減少しているようで、練習の効果は少ないのでしょう。そのため、太極拳のレベルアップ(無理?)ではなく、健康維持のために、先生の次の言葉があることもわかりました。ありがとうございます。挑戦します。
「人と比べず、あせらず、楽しく毎日練習しなさい。」
「回数を増やしなさい。年齢による衰えの度合いが減りますよ。」
悪戦苦闘&試行錯誤を繰り返し、劉紅年先生の指導のもと、次第に
太極拳に目覚めていく姿を赤裸々に綴ります。(5回目になります。)
本来なら、劉先生に内容を確認して頂いてから書くのが筋ですが、
あえて、日ごろ心に思っていることをそのまま書きます。従って、
不適切な表現が散見されると思いますがご勘弁ください。
劉紅年先生の著書に「武式太極拳・十三勢」という小冊子あります。その裏表紙に劉先生が私服姿で「武式太極拳の懶扎衣(ランザイー)」をしている写真が載っています。
不思議なことですが、写真を見たのは何年も前でしたが、ある日突然、その写真が鮮明に思い出されました。
当時、「楊式太極拳85式」を習っていましたが、鮮明に思い出された写真が「武式太極拳の懶扎衣」でした。
それは、後程紹介します「廉譲堂太極拳譜解釈本」の序文を読んで、偶然のことかもしれませんが正しかったと思います。
しかも、それが「拳架がとても理にかなっていると称賛されています劉先生の写真」だったことは正に幸運なことでした。
形を単純に真似るのは容易にできますが、「どうすれば自然に写真のような形になるのか」試行錯誤しながら「懶扎衣」を繰り返し練習しました。
ある日、トイレの中で「懶扎衣」をしていて、その「きっかけ」を掴むことになります。
太極拳を習い始めてから4年~5年ぐらいの間、劉先生がアドバイスや指導されたことをノートに書き留めていました。
先生が話されたことだけでなく、それに対する私の考え、動作の仕方、注意点なども細かく書き込んでいました。大学ノートで10冊ほどになります。
しかし、トイレの中で「きっかけ」を掴んで数年経った後にノートを読み返してみると、私の考えなどの記録は、ほとんどが本来の太極拳とは程遠い内容となっていることに気づきました。
ところで、劉先生が指導される太極拳は、豊富な経験と卓越した理論に裏付けされたレベルの高い(本物の)太極拳です。
私には、劉先生の太極拳は世間の常識や一般的な太極拳の常識をはるかに超越したところにあるように感じられます。(その理由については改めて述べたいと思います。)
普段、劉先生はアドバイスや指導をされる時、簡易な言葉で話されていますが、実はその言葉には常に「太極拳の真意が暗示」されていると思われます。(私はこのことを「寓意」と呼んでいます。)
従って、劉先生の「答えは一つではない。想像することが大事」という言葉がとても貴重に思えてなりません。
ノートを書いていた当時は、まだ「寓意」ということに気付いていなかったので、本来の太極拳とは程遠い内容となっていたものと思います。
それでは4年~5年ぐらいの間に大学ノートに10冊も記録しましたが、これは全く無駄だったのでしょうか。私は必ずしも(絶対に)そうとは限らないと思っています。
何故なら、劉先生のアドバイスや指導がどういう意味なのか、日ごろ思っている「自分の考え」をノートに細かく記録していました。
本来の太極拳とは程遠い内容とはいえ、こうした積み重ねがあったからこそ、劉先生の写真を参考にして(まだ初歩的な段階ですが)太極拳の基本的な動き(メカニズム)を知ることができたからです。
また、劉先生が太極拳をしている写真は、当会のブログの中にもいくつか掲載されていますので、これも参考にさせて頂いてます。
(廉譲堂太極拳譜解釈本の序文)
劉先生のHPの「会の概要」を開きますと、最高の指南書といわれる武式太極拳の「廉譲堂太極拳譜解釈本」の序文が日本語で掲載されていますので抜粋して紹介します。
「武式太極拳のある先人が懶扎衣一式のみを6年間も修業し、それができたら次の式へと進みました。人から彼は愚かだと言われましたが、実は彼が一番賢い人間です。 何故なら、こうして彼は基本を完璧に理解したからです。」
「廉譲堂太極拳譜解釈本」の序文には、劉先生のことも掲載されていますので抜粋して紹介します。
「太極拳は体力だけでなく、理論を理解した上でできるものです。劉紅年女史は太極拳理論を深く理解し、拳架がとても理にかなっていると称賛されています。太極拳の神髄とはこのようなものと感心しています。」
この序文から、「劉先生は理論と実践を極めた超一流の先生」ということが分かります。こうした立派な先生から直接指導を受けられるのはとても幸運なことと思います。
(補足)
今回の内容は、2018.12.16付で寄稿しました「太極拳は数ミリのところに秘訣がある。」という「教え」を踏まえて、私の経験や考えを紹介させていただきました。
特に「数ミリのところ」の意味ですが、必ずしも何ミリというような数を表しているものではないと思います。
最後になりましたが、劉先生から教わった貴重な言葉を紹介します。
「太極拳の本質とはなにか」ということを正に暗示していると思われる奥の深い言葉です。
「太極拳はすべて寓である」
大人の為のファンタジー PartⅤ
廉譲堂太極山荘 荘主
今年も残すところあと数日、私は太極山荘丘上の東屋の窓越しに里山の
景色を眺めている。
平成も来年には新しい年号となり、その先には東京オリンピック、大阪万博
と明るい未来が待っている。人生100年の時代、自分にとっての未来とは、
現在、過去、未来、物思いにふけっていると辺りは真っ黒な雪雲に覆われ
風雪となり閉ざされていく。すると自分の意識も薄れていくではないか。
突然、「お~~~~」「お~~~~」 「泣ぐ子いねが!怠け者いねが!」
「万回練習出来ているのか」男鹿のナマハゲ登場だ。
http://liu85taikyokuken.dou-jin.com/Entry/10/
日頃、劉紅年老師から太極拳を理解するに「只管打拳」、万回練習すれば
自ずと解ると指導を受けている。
太極拳を始めて20数年、毎日1套路を練習すれば1年で365回、土日を
数えれば1年で500回、そろそろ悟りが開くのか?
すると、白装束の古代人が現れて、お前さん原点回帰だよと諭す。
徐福さんではないか。日本に不老不死の仙薬を求めて各地を訪ね稲作や
農耕を伝えた、しかし不老不死の妙薬は見つからない。
私達も徐福さんの痕跡を訪ね各地を巡った。
http://liu85taikyokuken.dou-jin.com/Entry/9/
http://liu85taikyokuken.dou-jin.com/Entry/16/
http://liu85taikyokuken.dou-jin.com/Entry/22/
そして解ったことは妙薬とは物質ではなく己の身にある心だ、
それを引き出すのは劉紅年老師の指導する太極拳だと、謎が解けた。
ふっと我に返ると辺りは満天の星空が輝いている。明るい未来の光だ。
それでは皆様、初夢でお会いしましょう。
良いお年をお迎えください。
悪戦苦闘&試行錯誤を繰り返し、劉紅年先生の指導のもと、次第に太極拳に目覚めていく姿を赤裸々に綴ります。(平成28年10月に寄稿して以来、4回目になります。)
本来なら、劉先生に内容を確認して頂いてから書くのが筋ですが、あえて、日ごろ心に思っていることをそのまま書きます。従って、不適切な表現が散見されると思いますがご勘弁ください。
最初に太極拳を教わったのは、劉紅年先生の1期生に当たる長谷川厚子先生です。
場所は北名古屋市にある平田寺教室と名古屋市名東区にある極楽教室です。
ある日、長谷川先生が私を柱の陰に連れていき、劉先生から教わったという「太極拳の秘訣」を話されました。教室には、たくさんの生徒さんがいるにもかかわらず、私のみにこっそりと小声で話されたのです。この「秘訣」は、他人には口外してはいけない「教え」と思い、今まで、誰にも口外したことはありません。
ところで、正しいかどうか分かりませんが、私は「太極拳は他人に教わるものではなく、自ら気づくことが大事。」と考えています。しかし、すべてを自ら気づくことは不可能です。
そこで、劉先生から、上達の程度に合わせた適切なアドバイスや指導をいただきながら、さらに研究と練習を続けています。その時とても役立つと思われるのがこの「秘訣」です。
長谷川先生から「太極拳の秘訣」を教わってから8年が経ち、漸く(ようやく)この「秘訣」の重要性と意味が理解できるようになりました。
ある日、劉先生にこのことを打ち明けました。口外したのはこの時が初めてでしたが、劉先生にお話したことで、少し心が軽くなったような気がします。長谷川先生にはとても感謝しています。感謝とお礼の気持ちを込めてこの記事を書いています。
柱の陰でこっそりと小声で話された「秘訣」は、あれから8年が経ちましたので、ここで公開したいと思います。
それは「太極拳は数ミリのところに秘訣がある。」ということです。
つづく
第37回 伝統太極拳談議サロン 安井守推進部長
今年の春(正月)、道場開所5周年記念を祝して武川荘主より発せられた、
http://liu85taikyokuken.dou-jin.com/Entry/174
聖地「美濃加茂道場」を中心に「新日本の健康長寿街道」の創造への活動の呼びかけに、さらなる向上を祈念して一幅の掛軸を作成しました。その思いが実現したのは4月8日 花祭り(お釈迦様の誕生日)の日でした。道場でも花見の宴が催され、それは私にとって香厳撃竹の出来事でした。修行に悩んだ香厳禅師は庭掃除をしていた時に小石が竹にあたる音を聞いて悟りを開いたと伝われています。
私にとっては、悟りまではいきませんが太極拳のすばらしさの入口に立てた思いです。それを気付かせてくださったのが向井先生です。
午前の練習を終え、道場の裏山に登り湖水(ダム)の畔を散策していた時、向井さんが、これ何て書いてあるのと尋ねられました。大きな岩に「水徳無盡」とありました。水の恩恵は無盡(尽) 蔵にあるよ、それはダムのおかげですよと言っているようでした。「大禹治水」の言葉が浮びました。中国の伝説の皇帝、五帝の一人、禹が水を治めたことにより黄河文明が始まりました。太極拳との関係を考えてみました。ダムの貯水はア-チ(弓)式、ロックヒル(岩山)式があります。
放水は自然と人の生活の調和です。
武式太極拳の武禹襄宗師は太極拳解で「蓄勁如張弓」、「発勁如放箭」と解いておられます。劉老師がいつもおっしゃる「勁整」(足・腰・手) をダムに見たきがします。
「論語」の中に次のような言葉があります。
「知者好水、仁者好山、知者動、仁者静、知者楽、仁者寿」
仁者は長命である、動と静の調和の必要性を論しております。
楊式太極拳の楊澄甫大師は太極拳の心得、十訣の最後に「動中求静」と説いておられます。かつて劉紅年老師は、その答えは太極図の中にありとお話になられています。
皆さん、その答えを求めて自然豊かな聖地(道場)へ足を運んでみて下さい。
「水徳無盡」に対し道場は「拳仁無量」です。太極拳のもたらす量り知れない健康寿命への恩恵を求め道場の守り神「紅龍」のもと鍛錬しましょう。
若手指導者の努力で太極図はリニュ-アルされました。
四季折々の彩りの変化はまさに健康長寿街道の中心(聖地)に相応しいレベルに達してきました。皆さんの力で守りたてていきましょう。
それは「紅龍導 ○」 となるでしょう。
○あなたの思いの案を入れて下さい。
第31回 伝統太極拳談義サロン
大人のためのファンタジ- 初夢に願いを込めて
廉譲堂太極山荘 荘主
時は悠久元年、故宮紫禁城宮殿内に世界各国の科学者、文化人が参列し徐福賞の授与式が華やかに開催されました。
劉紅年会長はじめ廉譲堂太極拳会メンバ-108名が始皇帝からメダルの授与を受けるべく入場していきます。荘厳な「魚舟唱晩」が演奏される中、始皇帝から108名全員にメダルが渡されていきます。始皇帝から次のようなお言葉を頂きました。
「未だ不老不死の霊薬は見つかってはおりませんが皆様方が広められた不老長寿の術、太極拳で人類は明るく元気な世界へと変わりつつあります。これらの功績を称えメダルを授与いたします。」
劉紅年会長から「本日の栄誉ある式典に参加することができ誠に感無量でございます。
思い起こせば今から数百年前の平成28年12月11日に日本で太極拳を指導しているとき、大隅良典栄誉教授がノ-ベル医学生理学賞を受賞し、その後の
会見では、「オートファジーは、必ずがんにつながるとか、人間の寿命の問題につながると確信してこの研究をはじめたわけではない。基礎的な研究というものはそのように展開するものだということを理解してほしい」として、基礎科学の重要性を再三強調。さらに、「“役に立つ”という言葉が、とても社会をダメにしていると思う。本当に役にたつのは、10年後か20年後か、あるいは100年後かもしれない。社会が将来を見据えて科学を一つの文化として認めてくれるようにならないかと強く願っている」と、科学に早急な成果を求めがちな風潮を批判しました。
このスピ-チを聞き私たちが日頃取組んでいる伝統太極拳の継承・普及で健康で明るい社会作り活動に励ましの言葉をかけられた思いでした。当時の日本では高齢化社会を迎え即効性のある健康運動、サプリメントの普及が盛んに行われていました。
太極拳は少し学んだから直ぐに結果が表れ健康になる即効性を求めるものではありません。太極拳は文化です。「只管打拳」万回練習すればおのずと分ってきます。本日の受賞の栄誉は時間軸で太極拳を連綿不断に学ばれた皆様方への賞であると確信しております。
突然、何処からともなく昔懐かしき童謡が聞こえてくるではありませんか。
「もしもし かめよ かめさんよ せかいのうちに おまえほど あゆみの
のろい ものはない どうして そんなに のろいのか なんと おっしゃ
る うさぎさん・・・・・・」
それでは皆様 良いお年をお迎えください。
初夢でお会いしましょう。
第30回 伝統太極拳談義サロン
「難病を克服して」 安城 エツコさんからお手紙を頂戴しました。
皆さん、いつもありがとうございます。そして、病気には気を付けましょう。
私は6年前、GIST (注) という病気であることが発覚しました。
十万人に一人という珍しい病気です。そして今年、回復しました。
この経験で「家族」と「太極拳」が私にとって大切なものであると
実感します。
この文書を通じて、皆さんへの感謝の気持ちを伝えたいです。
家族は、毎日病院に来て励ましてくれました。家族の顔を見るだけで元気が出ました。手術の当日も家族と共に手術室まで行き勇気をもらいました。
太極拳は、音楽を毎日聞き、練習をしていました。病院の先生にも太極拳は、体に良いと言われてとても嬉しかったです。太極拳の友達や先生にもお見舞いに何度も来ていただき本当に励みになりました。私は太極拳が大好きです。これからもずっと続けていきたいです。
今考えると手術は、何も怖くありませんでした。これは、家族や皆さんの励ましがあったからこそだと思います。本当に感謝しています。太極拳には、長生きの先輩がたくさんいらっしゃるので、皆さんとこれからも長くお付き合いしていきたいです。
(注) GISTは胃や腸 (消化管) の壁に発症する腫瘍のこと。胃がんや大腸がんなどといった、普通の消化器がんは消化管の粘膜から発生するのに対し、GISTは粘膜の下にある筋肉層から発生する。
第29回伝統太極拳談議サロン 学自修 第三回 H・Sさん
(Kさんとの出会い)
悪戦苦闘&試行錯誤を繰り返し、劉紅年先生の指導のもと、次第に太極拳に目覚めていく姿を赤裸々に綴ります。(今回は3回目となります。)
本来なら、劉先生に内容を確認して頂いてから書くのが筋ですが、あえて、日ごろ心に思っていることをそのまま書きます。従って、不適切な表現が散見されると思いますがご勘弁ください。
当初、「知っていることとは」という記事を書く予定でしたが、拳友の皆さん(ほとんどが先輩ですが)の一言や励ましによって、太極拳人生に明かりがさしたという話を書きます。
名古屋駅近くにあった本部道場に通い始めた頃のことです。
傘下にある教室の会員が一堂に集まり合同練習会が名古屋で開催されました。終了後に懇親会が中華料理店で開催され、私も初めて出席しました。丸いテーブルの隣席に座られた女性の方(Kさんとさせていただきます)とお話をすることになりましたが、人と話をするのが苦手だったこともあり、話題に困り、心に思っていることをそのまま正直に話すことにしました。Kさんとは一度もお話をしたことがありません。もちろん名前も知りません。道場で顔を合わせていたと思いますが挨拶すらしたことがありません。
私は、「61歳という高齢で太極拳を始めました。太極拳を上手くなろうと努力しても、高齢のため体力の低下の方が早く、上手くなることができません。その上、2年前に大病を患い救急車で病院に運ばれ絶対安静の状態で長期入院をしていましたので、体力と脚力がなくなり、現在でもゆっくり歩くのが精一杯です。おまけに頭に動脈瘤が残っていますからいつ破裂するか常に不安を抱えています。もう少し早くから太極拳を始めていたらと悔やんでも悔やみきれません。」と話しました。
Kさんは私の話を静かに聞いていましたが、「太極拳を始められたのが遅かったことを後悔されているようですが、本物の太極拳の良さが分かる年齢になって始められたからこそ、熱心にやってらっしゃるのではないですか。もし、もっと若い頃に始めたとしても、今ほど熱心にできないかも知れません。体力に不安があるからこそ、いろいろと工夫や努力をされているのではないですか。劉先生は出会いを大切にされます。61歳になって、劉先生が指導される本物の太極拳に出会ったことに感謝して取り組まれたらいかがでしょうか。」と話されました。
(失礼ですが)Kさんは控えめで、あまり目立たない印象でした。そして一度も話をしたことがないどころか挨拶もしたことがない間柄なのに、入会したばかりの私を「熱心で努力家だ」と見ていたことに驚きました。そして、Kさんは見たところ、年齢は私より二回りぐらい若いと思いますが、おっしゃっていることは正しく、「なるほど」と納得せざるを得ませんでした・・・・・・。
この話しを聞いて自分の愚かさに気付きました。
劉先生が指導される伝統太極拳は、簡単に出来るものではありません。まずは焦らず、試行錯誤を繰り返しながらも、長いスパーン(生涯)をかけて取り組むことにしました。以前は、気持ちにゆとりがありませんでしたが、現在は楽しく感じられるようになりました。
いずれにしましても、生涯をかけて取り組むことができる程の「奥深さと魅力を秘めた本物の太極拳」に巡り合えたことは、私の人生とって素晴らしいことであり、大きな幸せでもあります。Kさんのおっしゃるとおり、こうしたことに「感謝の気持ち」を持つことは大切です。それが「謙虚」にも繋がると思います。Kさんとお話ができたことは、私にとって大きな「進歩」となりました。
まだまだ未熟ですが、「現在の私があるのはKさんのお陰」と感謝しています。今でもその時の様子は鮮明に覚えています。現在は、Kさんに会えば必ず挨拶をしています。実は、Kさんの方から先に(お年寄りを励ますように)声を掛けてくれますが。(Kさん、いつまでも気に掛けて頂きありがとうございます)
以前、このことを劉先生にお話したことがあります。劉先生からKさんのお名前を教えて頂きました。そして「Kさんは苦労された経験があり、お話に説得力がありますね。」ということも。
第26回伝統太極拳談議サロン
大人のためのファンタジ- 「七夕に願いを込めて」 荘主
「殿、殿ォ-」 ついに完成いたしましたぞ、我ら北斗七星群から
蒼色に輝く地球とやら言われる惑星を覗く大望遠鏡の完成です。
早速覗くとするか。はて、奇妙な一団が不思議な光景ではないか?
なにやら笹に短冊をさげて、片足で立っているではないか、
聞くところによりますと地球では七月七日に短冊に願いを込めて笹に
飾るという風習があるとのこと。調べたところ我ら北斗七星群の
琴座、鷲座がこの日に天の川を挟んで最も輝くことになぞらえた
ロマンチックな「おりひめひこぼし伝説」が作られたそうです。
それでは彼らのポ-ズは何なのか?
太極拳とやらの動作かと? 太極拳とは何ぞや?
中国発祥の武術、健康術として知られているようです。
中国の大河長江流域が起源とか、我ら天の川と似ているようだ。
それでは毎年同日に大望遠鏡で彼らの成長を覗くとしよう。
第25回伝統太極拳談議サロン
(3)前賢者の言葉に学びました。」
輪が和となり大きく発展してきました。
気がつきました。「明珠在掌」です。
で終わりました。
「更上一層楼」です。そこで次のテ-マを考えました。
含まれていますよ、とのお話でした。そこで全ての套路名称を写書、
実技から学び、五、七、五の句にまとめ全て踏破する目標を定めました。
今月の句は封印います。全套路踏破した時、もう一度考え、
今日の思いと見比べたいと思っています。
池で糸を垂らして待つヘラ鮒釣りがあるよ、これこそ正に楊澄甫
大師の十訣「動中求静」か武禹襄大師の「敷」の教えか、
劉老師からは剣の先の集中力不足と一蹴されました。
「曲中求直」の教えです。
最後に、劉紅年老師のNHK出演を記念して一句。
これは正に「三環套月」の心の顕われか。
第24回 伝統太極拳談義サロン
「トライアスロン、太極拳」/「動と静」
トライアスロン愛好家のKTさん
水泳、自転車、長距離走の3種目を連続して行うトライアスロン
愛好家のKTさん、時には肉体の限界に挑みます、そんな彼が太極拳と
出会い1年が経ち、現在の心境を投稿頂きました。
始めて1年になります。
きっかけは「ストレスと腸内環境には関連があり、腸管を整えるには
太極拳が良い」とのお話からでした。
ランニングや水泳なども嗜むのですが、持久系のスポーツは、それ
自体がストレスとなり、仕事などで精神的な負担が大きい時には
楽しむことが出来ないこともあります。
その点太極拳は身体的なダメージが少ないため、心身のバランス保持
に役立っていると感じています。
まだ奥深い世界の入り口に立ったばかりですが、練習に参加する度に
新しい発見があり、大きな魅力となっています。
「トライアスロン、太極拳」 「動と静」 この先が楽しみですね。
またの投稿をお待ちしています。
道場開所三周年記念大会に思う 安井推進部長
道場開所三周年おめでとうございます。「3」という数字は習い事、
修行するものにとって非常に大切な数字です。三日坊主、石の上
にも三年とあります。中国の故事にも
l 士別 三日 即更刮目相待(看) 呂豪(東漢・呉)
l 三年 不蜚不鳴 楚:荘王 (春秋戦国)
中国の故事についてはまた別の機会にお話したいと思います。
3日、3月、3年、 太極拳は30年? 「3」は節目の数字です。
「3」をテ-マに太極拳の神髄(哲学) 「謙虚」の先を求めて第二話
「中国の神話に学ぼう」を私の独断と偏見のもとお話したいと
思います。
中国の神話は3つのお話にまとめられています。劉老師を始め
皆さんは、そんな馬鹿なと、お思いでしょう、多くの中国の
少数民族はたくさんの神話を残しております。しかし早くから
文字(漢字)文化が発達した漢民族は夏、殷、周、秦、漢・・・・・・
以前の神話の時代を太古、三皇、五帝、と十八史略という歴史書に
編纂しております。そして、その三つの神話はまさに太極拳の哲学、
老荘思想の「道」であり太極観です。それは
1. 盤古 天地創造 無から一を(太極)を生ずる。
2. 羿 太陽を射る 1は2を生ずる(陰陽のバランス)
ある時は,天に10個の太陽が現れた。天帝は羿と妻 嫦娥を地上に
送り、正常に戻すよう命じました。羿は9個の太陽を続々と射落としま
した。射落とされた太陽の精は三本足の烏でした。八咫鳥として
サッカ-Jリーグのシンボルマ-クとして使用されています。
日本では打ち落とされた太陽がまた天に戻らないようにと五重塔の
上に九厘の輪として納められています。その後も地上で活躍した
羿夫妻は、人間として老いを、死を感じもう一度、天に戻りたいと
思い、不老不死の薬を求め諸国を旅し、やがて、西遊記で知られる
孫悟空が閉じ込められたという西の果て崑崙山に住む西王母という
女神に出合い、不老不死の薬を手にしました。西王母は羿に
「この薬は 羿夫妻が残された最後の薬です。二人で吉日を決め
飲みなさい、そうすれば地上で不老不死が得られるよ。
一人で飲むと天に昇るよ」
3. 嫦娥 天(月) に昇る。
早く天に帰りたいと思っていた 嫦娥は、羿が出かけている時、
一人で薬を飲んでしまい、一人月に帰ってしまいました。
しかし月には夢見た宮殿はなく、桂の木一本と、薬をついている兎が
いるだけでした。やがて嫦娥は醜いガマに変わったという話が
残っています。ここで一句
● カグヤ姫 (嫦娥) 昔をしのび 我忘れ。 娥→女
己の欲だけを願った結末です。
以前 劉老師からお話がありました。薬は後から読めば
「リスク」 です。
自分自身の努力で健康寿命を伸ばす大切さを教えています。
まさに太極拳の薦めであります。普及です。潸潸と降る雨
(陰の時、修行の時)から燦々と輝く太陽 (陽の時、一人前) になる
長い道程り、努力が必要ということを太極拳の修行が教えています。
太極拳のパワ-は指先に表れると言われます。
力を整える (勁整) は足・腰・手です。
謙虚に大地の力を借り 足から手へ送ります。その道中は、
大地の力を脚根で受け腿 ~ 胯 ~ 腰 ~ 背 ~ 肩 ~ 腕 ~ 指へ
と伝達されますが、なかなか指先に明かりはともりません。
劉老師の教えでは 真拳
拳打千篇 自然熟 やっと道が整備された。
拳打万篇 神理現 やっと指にパワ-が出る
道場は 心・技・体 を鍛えるところ、 では、どうやって?
謙虚の先を求めての第一話で「禪縁」 劉老師との出合い、
太極拳との出合い、そして仲間との出合いの話をしました。
「縁」を「円」に「輪」に広げていきましょう。
3は万物を生じる始めです。無限大の可能性を求めて「共勉」
一人者なく、家族、仲間、劉老師と一緒に努力しましょう。
3年が過ぎた頃、己の未熟さに気付き、人に教えることで悩んで
いた時、劉老師が色紙に書いて私に下さった言葉です。
2003年3月 私が太極拳を始めて3年3か月たった頃です。
色紙には「拳中有路勤為径」とありました。休まず勤勉に努力
すれば、おのずと道が見えてくるのです。
そしてこの言葉は 李光藩老師の兄弟弟子の李迪生老師の言葉と
今日知りました。
皆さん、それぞれ一人じゃない、共に楽しく止むことなく
歩み続けましょう。
第20回 伝統楊式太極拳談義サロン
不老長寿 実と虚 第五話 廉譲堂太極山荘荘主
伝統太極拳ハンドブックより抜粋
超高齢化社会を迎えた日本において2013年度の「平均寿命」は
男性80.21歳、女性86.61歳です。一方健康上の理由で日常生活が
制限されることなく生活できる期間のことを「健康寿命」と言い
ます。「健康寿命」の全国平均は男性71.19歳、女性74.21歳で
平均寿命との差は男性が9.02年、女性が12.40年でした。いずれに
しましても10年近くの差があり個人及び家族の生活の質が下がると
ともに医療費や介護給付等社会保障費の増大につながります。
2013年度調査では長野県が男女とも平均寿命日本一となりました。
県民挙げて減塩、野菜摂取、運動の取組を行った結果です。
私たちが目指すのは健康な身心で老後を迎えることができるよう
今から準備をすることです。
「太極十年不出門」は決して武術の修行のみの言葉ではありません。
日常生活の中で自分と向き合い会話できる貴重な時間を太極拳は
演出してくれます。若い皆様方だからこそ今から始めましょう。
楊式太極拳創始者の楊禄禅先師は晩年弟子たちを前に太極拳の究極
の目的を話しました。弟子たちは秘伝の技の伝授を期待して集まっ
ていたが先師の言葉は「詳問用意終何在,延年益寿不老春」と
答えたそうです.日本語で太極拳の最終的な目的は「アンチエイジ
ング,心身ともの健康の実」であると。
司馬遷の「史記」によると紀元前3世紀、中国秦の時代に始皇帝の
命を受け徐福以下3,000人の童男童女が東方(韓国、日本)に不老不死
の霊薬を求めて船出しましたが霊薬は見つかりませんでした。
しかし、現代不老長寿の術はあります。それは太極拳です。
中国伝統文化の華である伝統太極拳をもう一度見直し歴史のロマンと
現代社会を生き抜く術を学びながら健康長寿社会の実現を目指し
ます。
私たちを取り巻く環境は、世の中すべてがより早く、より便利に、
より快適に、私たちの欲望は留まるところを知りません。その結果、
人間本来の持てる力が機械化されています。ここでもう一度私たちは
自然回帰すべきです。人間は所詮動物です。
「用進廃退」身体の法則として体を使わなければ己の機能が退化し、
脳においても同様の原理が働いています。自然と共に歩みませんか。
来たれ美濃加茂里山「廉譲堂」太極山荘。
実は日本人の儒学者 荻生 徂徠(おぎゅう そらい)が白帝城を
詠った李白の詩「早發白帝城」(早に白帝城を発す)にちなんで
犬山城を別名白帝城と命名しました。白帝城は中国大河「長江」の
丘上にあり、廉譲堂太極拳譜の書き出しの一節「長江大海の如く
絶えることなく流れる」に健康の秘訣が託さています。
日本を代表する大河「木曽川」の丘上には犬山城 別名白帝城が
築城され、木曽川を遡ること数キロ先に「廉譲堂」太極山荘が
開かれました。これは偶然の一致なのでしょうか。
歴史のロマンと現代社会を生き抜く術を「廉譲堂」
太極山荘で学びましょう。
第19回 伝統太極拳談議サロン「サラリーマンの太極拳」
東京教室 一色さん
名古屋支店長としての単身赴任も4年目となると、未踏の地名古屋も
すっかり地元となり、一人暮らしの掃除洗濯にも馴染みきり、週末の
公園散策やゴルフにもマンネリ感を感じ始めます。
「何か面白い暇つぶしは無いかなぁ」とネットでカルチャースクール
を覗いていてふと目に留まったのが「太 極 拳 」の文字。
「昔、少年サンデーで読んだ『男組』の主人公の流全次郎の太極拳
格好よかったなぁ。暇だからちょっと覗いてみるか」と気楽な気持ち
で見学の申し込みをしたのが運のつき?
「あっ!見学のあなた。スリッパ脱いで靴下でいいから中に入って
一緒にやってみましょう!」「うん。なかなか良いからぜひ来週から
いらっしゃい」この劉先生の声掛けで名古屋生活が一変。
何せやってみると難しいのなんの。大体憶えることが多すぎる。
85式もの流れがそもそもわからない。足・腰・手の動きの手順が
わからない。虚実の荷重がわからない。型の呼び方がわからない。
わからないことだらけながら、劉先生や周りの兄弟子の動きを横目
で盗み見しながら真似をする。
あぶら汗と冷や汗をかきながら何とかかんとか練習が終わると、
あれあれ何かさっぱりと気持ちいい。これはオ・モ・シ・ロ・イ!
結局8月に入校してから翌年の3月に東京に帰るまでの7か月間。
合宿に参加し、懇親会に顔を出し、新道場開所式に参列し…
とても楽しく健康的な時を過ごさせていただきました。
さらにその副産物。何とゴルフのドライバーの飛距離が飛躍的に
伸びた。
太極拳を始める前に180ヤード程度だった飛距離が平均210ヤードと
30ヤードも伸びた。これは一つは体幹が鍛えられたこと、それと
太極拳を通じて上半身の力みの取り方がわかったことで下半身で球を
飛ばせるようになり、その結果球が曲がらなくなったことが多分理由
です。
2年前に名古屋から東京に戻ってからも伝統楊式太極拳への興味は
薄れるどころか逆に深まり、ほぼ毎週東京教室で深沢先生にご指導を
いただいておりますが、この週末の太極拳で気持ちがリフレッシュし
仕事にも張りができ、お陰様で昨年執行役員に就任いたしました。
新役員就任挨拶文の趣味の欄には、他の新役員が「読書」とか
「ハイキング」とか書いている横で(恥ずかしながら)
「伝統楊式太極拳」と記させていただき、約2,200人の全社員に対して
太極拳をたしなんでいることを公言してしまいました。
これからも劉先生に教わった「萬回修行」を心して丹田に気を込めて
修行に仕事にと励んでまいる所存です。
第18回 伝統太極拳談議サロン
私が太極拳を始めるきっかけとなった、金庸小説の事は他の機会に
もお話しているので、またかと思われるかと思いますが、今一度お
付き合い下さい。
初めて金庸小説を知ったのは、CS放送で新しく始まった「神鵰剣侠」
という武侠ドラマでした。
簡単なストーリーは、孤児の少年が、苦難や偏見を乗り越え、偉大な
武術家となり、襄陽をめぐるモンゴルとの防衛戦を成功させ南宋に
勝利をもたらす。そんな成長譚を描いたお話なのですが、各武術会派
入り乱れての攻防戦や、誤解やすれ違いにより愛する人との16年間の
別離等々、韓流ドラマばりのハラハラ・ドキドキのラブストーリー
でもあったのです。
始めは、日本の時代劇とは違うけれど、私の好きなアクションが満載
だし、ちょっと笑える展開に「少し続けて見てみようかしら」なんて
軽い気持ちで観ておりました。そうしたら一話目が終わりにさしか
かった頃です。小さい頃より厳しい修行を積んで、年若い女性であり
ながら師父となった小龍女が、訳あって引き取り武術を教えることに
なった少年楊過に、自分の寝台(寝ている間も内功の修練ができ、
陰の気の極まった寒玉床!?「貴重な石でできた寝台です」)をすす
めて、自分は目の高さに張った縄の上にひらりと横になり、縄を寝床
がわりに平然と休んだのです。
エッ 縄がベッド……!?
それも、そんなものはたいした技ではないと言うのです!!
日本の剣豪小説の主人公のように、ストイックでもシニカル
でもありませんし真面目一辺倒でもありませんが、大陸的な
おおらかさと懐の深さで、少々の事は笑いとばせる強さと想像力が
あるのです。それがなぜ太極拳に?とお思いでしょうが
金庸さんのうまいところは、高い木の上にあるヤシの実をただ
ジョンプしては全然届かないけれど、棒高跳びでジャンプ
(オリンピックレベル?)すれば何とか届くかもしれない!
と思わせて、絵空事と現実を絶妙にミックスしてあるので、
修行を積んだらもしかするとこの技が……。などと妄想を膨らませて
しまうところにあるのです。(……私だけでしょうか?)
金庸小説の主人公に少しでも近づきたくて始めた太極拳ですが、
今では自分の身体と心の対話が太極拳を通じてできるように、
こうして劉先生に教えを乞うている次第です。
老若男女関係なく修行を積んだ人が、ただただ強いのです。
先生がいつも言われる「万回練習!ただ続ける!」に通じる
ものがあると思います。廉譲堂の皆様の明るく前向きで
ポジティブな姿勢に、つい登場人物を重ねあわせてしまいました。
きっと劉先生は、真夏の暑い夜などに、ハンモックがわりの
縄ベッドで、悠々と休んでいらっしゃったのでは……。などと
妄想を膨らませているこの頃です。
皆様も金庸小説を読んで、楽しい妄想の翼を広げてみ
てはいかがでしょうか。
* 神谷さんにお借りした金庸小説が山荘サロンに展示して
いますので皆様是非ご一読してください。
また、感想などお聞かせください。
第17回 伝統太極拳談議サロン
伝統武式太極拳 第2代 李亦畬宗師が 著した「廉譲堂太極拳譜」
第一章「太極拳、一名長拳、又名十三勢。長拳者、如長江大海、
滔滔不絶也。十三勢者、分棚、履、擠、按、採、挒、肘、靠・・・・・」
太極拳について論ずる中で重要なキ-ワ-ドは「流れる」、
「変化する」である。
人生も自然界も時が流れ季節は変化する。我々太極拳を学ぶ者も
身近なところで真髄と接している。今年のシルバ-ウィ-クは
山荘の最寄り駅「美濃太田駅」から長良川鉄道で郡上八幡までの
ロ-カル列車の旅を楽しんだ。列車は長良川やその支流にかかる
橋梁を幾度となく渡り自然を満喫させる。この区間長良川は右へ
左へと幾度となく蛇行し列車の行く手を阻む、橋梁から望む川面では
山荘に戻ると栗、柿、など収穫の秋を演出している。
10 | 2024/11 | 12 |
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伝統楊式太極拳第5代伝人
伝統武式太極拳第6代伝人
中国伝統文化の華である伝統太極拳の普及と継承を目的とし2000年9月名古屋にて設立しました。
楊式太極拳創始者の楊禄禅先師は晩年弟子たちを前に太極拳の究極の目的を話しました。
弟子たちは秘伝の技の伝授を期待して集まっていたが先師の言葉はく「詳問用意終何在,延年益寿不老春」と答えたそうです. 日本語で太極拳の最終的な目的は,「アンチエイジング,心身ともの健康の実」であると。
司馬遷の「史記」によると紀元前3世紀、中国秦の時代に始皇帝の命を受け徐福以下3,000人の童男童女が東方(韓国、日本)に不老不死の霊薬を求めて船出しましたが霊薬は見つかりませんでした。
しかし、現代不老長寿の術はあります。それは太極拳です。
歴史のロマンと現代社会を生き抜く術を学びながら医学的効用について解明を図ってまいります。
医学博士会長 劉 紅年