悪戦苦闘&試行錯誤を繰り返し、劉紅年先生の指導のもと、次第に
太極拳に目覚めていく姿を赤裸々に綴ります。(5回目になります。)
本来なら、劉先生に内容を確認して頂いてから書くのが筋ですが、
あえて、日ごろ心に思っていることをそのまま書きます。従って、
不適切な表現が散見されると思いますがご勘弁ください。
劉紅年先生の著書に「武式太極拳・十三勢」という小冊子あります。その裏表紙に劉先生が私服姿で「武式太極拳の懶扎衣(ランザイー)」をしている写真が載っています。
不思議なことですが、写真を見たのは何年も前でしたが、ある日突然、その写真が鮮明に思い出されました。
当時、「楊式太極拳85式」を習っていましたが、鮮明に思い出された写真が「武式太極拳の懶扎衣」でした。
それは、後程紹介します「廉譲堂太極拳譜解釈本」の序文を読んで、偶然のことかもしれませんが正しかったと思います。
しかも、それが「拳架がとても理にかなっていると称賛されています劉先生の写真」だったことは正に幸運なことでした。
形を単純に真似るのは容易にできますが、「どうすれば自然に写真のような形になるのか」試行錯誤しながら「懶扎衣」を繰り返し練習しました。
ある日、トイレの中で「懶扎衣」をしていて、その「きっかけ」を掴むことになります。
太極拳を習い始めてから4年~5年ぐらいの間、劉先生がアドバイスや指導されたことをノートに書き留めていました。
先生が話されたことだけでなく、それに対する私の考え、動作の仕方、注意点なども細かく書き込んでいました。大学ノートで10冊ほどになります。
しかし、トイレの中で「きっかけ」を掴んで数年経った後にノートを読み返してみると、私の考えなどの記録は、ほとんどが本来の太極拳とは程遠い内容となっていることに気づきました。
ところで、劉先生が指導される太極拳は、豊富な経験と卓越した理論に裏付けされたレベルの高い(本物の)太極拳です。
私には、劉先生の太極拳は世間の常識や一般的な太極拳の常識をはるかに超越したところにあるように感じられます。(その理由については改めて述べたいと思います。)
普段、劉先生はアドバイスや指導をされる時、簡易な言葉で話されていますが、実はその言葉には常に「太極拳の真意が暗示」されていると思われます。(私はこのことを「寓意」と呼んでいます。)
従って、劉先生の「答えは一つではない。想像することが大事」という言葉がとても貴重に思えてなりません。
ノートを書いていた当時は、まだ「寓意」ということに気付いていなかったので、本来の太極拳とは程遠い内容となっていたものと思います。
それでは4年~5年ぐらいの間に大学ノートに10冊も記録しましたが、これは全く無駄だったのでしょうか。私は必ずしも(絶対に)そうとは限らないと思っています。
何故なら、劉先生のアドバイスや指導がどういう意味なのか、日ごろ思っている「自分の考え」をノートに細かく記録していました。
本来の太極拳とは程遠い内容とはいえ、こうした積み重ねがあったからこそ、劉先生の写真を参考にして(まだ初歩的な段階ですが)太極拳の基本的な動き(メカニズム)を知ることができたからです。
また、劉先生が太極拳をしている写真は、当会のブログの中にもいくつか掲載されていますので、これも参考にさせて頂いてます。
(廉譲堂太極拳譜解釈本の序文)
劉先生のHPの「会の概要」を開きますと、最高の指南書といわれる武式太極拳の「廉譲堂太極拳譜解釈本」の序文が日本語で掲載されていますので抜粋して紹介します。
「武式太極拳のある先人が懶扎衣一式のみを6年間も修業し、それができたら次の式へと進みました。人から彼は愚かだと言われましたが、実は彼が一番賢い人間です。 何故なら、こうして彼は基本を完璧に理解したからです。」
「廉譲堂太極拳譜解釈本」の序文には、劉先生のことも掲載されていますので抜粋して紹介します。
「太極拳は体力だけでなく、理論を理解した上でできるものです。劉紅年女史は太極拳理論を深く理解し、拳架がとても理にかなっていると称賛されています。太極拳の神髄とはこのようなものと感心しています。」
この序文から、「劉先生は理論と実践を極めた超一流の先生」ということが分かります。こうした立派な先生から直接指導を受けられるのはとても幸運なことと思います。
(補足)
今回の内容は、2018.12.16付で寄稿しました「太極拳は数ミリのところに秘訣がある。」という「教え」を踏まえて、私の経験や考えを紹介させていただきました。
特に「数ミリのところ」の意味ですが、必ずしも何ミリというような数を表しているものではないと思います。
最後になりましたが、劉先生から教わった貴重な言葉を紹介します。
「太極拳の本質とはなにか」ということを正に暗示していると思われる奥の深い言葉です。
「太極拳はすべて寓である」
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伝統楊式太極拳第5代伝人
伝統武式太極拳第6代伝人
中国伝統文化の華である伝統太極拳の普及と継承を目的とし2000年9月名古屋にて設立しました。
楊式太極拳創始者の楊禄禅先師は晩年弟子たちを前に太極拳の究極の目的を話しました。
弟子たちは秘伝の技の伝授を期待して集まっていたが先師の言葉はく「詳問用意終何在,延年益寿不老春」と答えたそうです. 日本語で太極拳の最終的な目的は,「アンチエイジング,心身ともの健康の実」であると。
司馬遷の「史記」によると紀元前3世紀、中国秦の時代に始皇帝の命を受け徐福以下3,000人の童男童女が東方(韓国、日本)に不老不死の霊薬を求めて船出しましたが霊薬は見つかりませんでした。
しかし、現代不老長寿の術はあります。それは太極拳です。
歴史のロマンと現代社会を生き抜く術を学びながら医学的効用について解明を図ってまいります。
医学博士会長 劉 紅年