第35回 伝統太極拳談義サロン
謙虚の先を求めて、第二段 太極拳(剣)を楽しもう。
第四話 太極拳の聖地 永年県に学ぼう! 安井守推進部長
開所五周年は、まさに節目の年、飛躍の時です。道場東方の台地に
留(劉、龍)珠閣が建てられました。剣の套路46・魚跳龍門の技の
マスターを願い東の守り神(青龍)の絵を奉納し5周年記念行事の
太極拳聖地、永年県の旅に参加しました。邯鄲市、永年県の周辺は
故事や旧跡が多くいたる所に謙虚の先を考える課題に遭遇しました。
全てをお話しする時間も解読する能力がありません。ガイドさんの
車中での邯鄲市にまつわる二つの話から始めます。
(1)邯鄲の夢(一炊の夢)
不平、不満や欲望からの人生ははかないものとの教え、戒め?
(2)「完璧」の語源のお話し
今から2300年程前の戦国時代 邯鄲は趙の国の都でした。
趙の国は「和氏の壁」という十五の城に値する壁がありました。
それを何とか手に入れようとした秦の国の横暴から、壁を守って
出世した藺相如と、それを快く思わない将軍 廉頗のお話し。
藺相如は常に謙虚な態度で争いを避け、部下に今二人が啀み合えば
趙の国はたちどころに秦に滅ぼされるでしょうと話した。それを聞き知った廉頗は自身の不明をわび「刎頸の交わり」を交わすまでの物語。(刎頸の交とは相手・友の為なら自分の命までかけてつくす。)剣の套路の中に秘められた故事、お話はないか探してみましょう。
最初に浮かんだのが「34・哪吒深海」この技を皆さん、この夏必死に練習しましたね。斉天大聖(孫悟空)の海の竜王から得たという如意棒に破れた
哪吒太子は更なる技を求めて修行に励みます。
● 剣先に 願いを込めて 海深く。
● 如意棒の 先を求めて 突き進む。
「35・犀牛望月」 私にとってまだ解読出来ない技です。皆さん考えてみましょう。牛と月 神秘的ですね。
次は太極拳(剣)を楽しもう(第二話)で北斗七星②魁星式⑤⑪小魁星式の話をしました。小魁星式で虚(静)の構えは難しい、2度出てききますという話をしました。もう一つの技が射雁式です。「36・40射雁式」雁書・かりのたよりで知られるBC100年頃の漢代の蘇武の物語が重い出されます。使節団の団長として匃奴に向かった蘇武は匃奴の内乱に巻き込まれ、捕虜となりました。部下全員が匃奴に投降した中ただ一人「忠」を貫き苦節19年北の果
てで耐え忍び雁に託した帛の文(漢の使者の作り話)により助けられたという故事が思い起こされます。
● 小手かざし 狙い定める 雁の文。
● 蘇武の忠 北の果てより 雁運ぶ。
●
ここで忠恕の言葉を用いたのは、劉老師の師、傅鐘文宗師の墓の門に金色に輝くこの文字を見つけたからです。
この言葉は「論語」や「中庸」に孔子の言葉、生き方として出てきます。
論語 「夫子道忠恕而已矣」
中庸 「忠恕違道不遠」とあります。
仁者(徳のある人)への道は忠恕(真心からの他人への思いやり)である。?
今回の太極拳聖地をめぐる旅では各地で三教(儒教、道教、仏教)の三位一体の精神(相手を認め尊重する)を痛感しました。
そのことは李光藩老師の生きざまにダブります。旅の主要目的である大師の八十歳の誕生会の宴では、我々を温かく出迎えて頂きました。武式はもとより楊式、陳式の大家や元少林寺拳法の達人が集い和やかなものでした。穏やかな大師の立ちい振る舞いが忘れられません。謙虚の先の行動の一端を見たきがします。
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伝統楊式太極拳第5代伝人
伝統武式太極拳第6代伝人
中国伝統文化の華である伝統太極拳の普及と継承を目的とし2000年9月名古屋にて設立しました。
楊式太極拳創始者の楊禄禅先師は晩年弟子たちを前に太極拳の究極の目的を話しました。
弟子たちは秘伝の技の伝授を期待して集まっていたが先師の言葉はく「詳問用意終何在,延年益寿不老春」と答えたそうです. 日本語で太極拳の最終的な目的は,「アンチエイジング,心身ともの健康の実」であると。
司馬遷の「史記」によると紀元前3世紀、中国秦の時代に始皇帝の命を受け徐福以下3,000人の童男童女が東方(韓国、日本)に不老不死の霊薬を求めて船出しましたが霊薬は見つかりませんでした。
しかし、現代不老長寿の術はあります。それは太極拳です。
歴史のロマンと現代社会を生き抜く術を学びながら医学的効用について解明を図ってまいります。
医学博士会長 劉 紅年