第7回 伝統太極拳談議サロン 《太極拳=動く漢方療法》
愛知県武豊町 平さん
私が太極拳と出会ったのが60歳のときでした。それまでは言葉と
して、武道の太極拳、健康のための太極拳があるとの簡単なもので、
それなりの関心を持っていました。ある時、娘が大府での太極拳の
講習会のパンフレットを貰ってきたので、講師の紹介を読むと本場
中国の伝統太極拳の継承者とのこと、伝統太極拳に惹かれ講習会に
参加。その結果、このゆっくりした動きが出来ない、なぜか動け
ない。参加すればするほどストレスが溜まってきました。その対応
として、安城グループの練習会に参加させていただき、道場に通っ
てみえるよき先輩たちの指導を受け、その後道場にも誘われ、劉会長
のご指導を受けることになりました。このご指導の中で、太極拳の効
用を話してくださいます。その一つ『太極拳をすることにより、人間
が本来持っている正常化活動が活発化する。』と言われ、少年時代に
父が言っていた「西洋医学と漢方医学の違い」がよみがえり、私の頭
の中では《太極拳=動く漢方療法》なる式が出来上がってしまいま
した。このことが私にとっての「動く漢方療法」の始まりです。
欲深い私です。単なる動きだけでは飽き足らず、もっと効用のある
療法を求めはじめました。それは、太極拳はもっと奥深いはずとの思
いです。会長の動きは俗にいう「こなれすぎ」でついていけないの
で、道場で諸先輩の動きを見て、動きを盗みました。そのうちに会長
の個人指導が時々入ります。『ハイッ。そこでキープ。』その姿勢を
キープしながら会長の指導を待ちますが、耐えきれなくなり姿勢を崩
します。そこで『休まない。キープ、キープ』の声(会長は笑顔で
す。)が響き渡ります。そして夫々、個人的に口だけでなく体の姿勢
を手足を使って指導してくださいます。この時の体に感じる強烈さ、
たぶんこの強烈さはこのポイントだけでなく全般に通じることで
しょうけど。ある時は、手の位置や足の位置のちょっとした違いに
よる体感を説明され、それに基づき実際の動きの中で体感します。
説明されたということは、そのように動きなさいとのアドバイスだ
と思います。
折角の体感ですが、日々薄れてきます。この薄れを元に戻すために
も、淮南子に云う「無音の音を聴く(“聞く”ではない)者は聡な
り。」ではありませんが、道場での練習で自分の身体が発する言葉
(体が感じたあの時の強烈さ等)を聴けるように集中することを心掛
けていますし、このためにも道場通いは辞められません。
(道場以外ではどうしても自分に甘くなります。)
また、「三年勤め学ばんより三年師を選ぶべし。」との中国故事が
ありますが、すぐ隣に本物の師がみえたことに大きな感動と深い感謝
をしています。これから自分がどれだけ成長できるか、楽しみに練習
を続けたいと思っています。
今回の締めくくりとして、会長が心を込めて道場周辺の野花を離れ
に活け、私たち生徒に自然と共に生活し練習する心を教えてくれま
す。この花をみて、朝は今日一日の活力を得、夕には一日の反省と
次回への抱負を約束して家路につきます。![]()
| 09 | 2025/10 | 11 |
| S | M | T | W | T | F | S |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 2 | 3 | 4 | |||
| 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 |
| 12 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | |
| 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 |
| 26 | 27 | 28 | 29 | 30 | 31 |
伝統楊式太極拳第5代伝人
伝統武式太極拳第6代伝人
中国伝統文化の華である伝統太極拳の普及と継承を目的とし2000年9月名古屋にて設立しました。
楊式太極拳創始者の楊禄禅先師は晩年弟子たちを前に太極拳の究極の目的を話しました。
弟子たちは秘伝の技の伝授を期待して集まっていたが先師の言葉はく「詳問用意終何在,延年益寿不老春」と答えたそうです. 日本語で太極拳の最終的な目的は,「アンチエイジング,心身ともの健康の実」であると。
司馬遷の「史記」によると紀元前3世紀、中国秦の時代に始皇帝の命を受け徐福以下3,000人の童男童女が東方(韓国、日本)に不老不死の霊薬を求めて船出しましたが霊薬は見つかりませんでした。
しかし、現代不老長寿の術はあります。それは太極拳です。
歴史のロマンと現代社会を生き抜く術を学びながら医学的効用について解明を図ってまいります。
医学博士会長 劉 紅年
