学自修(はじめに)H・S
私は平成22年に61歳で太極拳を始めました。
悪戦苦闘&試行錯誤を繰り返し、劉紅年先生の指導のもと、次第に太極拳に目覚めていく姿を赤裸々に綴ります。(連載記事となります。)
初めにお断りします。
本来なら、劉先生に内容を確認して頂いてから書くのが筋ですが、あえて、日ごろ心に思っていることをそのまま書きます。
従って、不適切な表現が散見されると思いますがご勘弁ください。
ネットで北名古屋市の平田寺で楊式太極拳の教室がオープンされることを知り、入門したのが、私の太極拳人生の始まりです。
指導される先生は、劉先生の1期生で70歳ぐらいの女性の方です。
太極拳の套路(とうろ)を覚えるのに、かなり苦労しました。套路名称を書いた紙を常に持ち歩き、寸暇を惜しんで、それこそ四六時中、夢中で暗記しました。
動作については、駐車場で先生が到着されるのを待ち、先生が見えると、飛んで行って教えを乞いました。(真夏の炎天下でもお構いなしに。)
質問攻めに遭われて、先生も災難だったと思います。(先生、ごめんなさい。)
先生には随分と迷惑をかけましたが、どうゆう訳か(妙に)可愛がっていただきました。
細かいところにも、個人的によく注意をしていただきました。(お陰で、上達は早かったと思います。)
ある時、先生から(これも個人的に)、A4サイズの紙を半分に切ったぐらいの、小さな紙切れを1枚頂きました。
そこに書かれていたのは、「太極拳十三勢(たいきょくけん・じゅうさんせい)」です。
「太極拳十三勢」とは、「易経」の思想に基づき、最初に「太極拳」という名前を付けた
といわれる王宗岳(おう・そうがく)という方の著書「太極拳釈明(たいきょくけん・しゃくみょう)」に書かれています。太極拳の基本となるものです。
恐らく、私が入門する前に行われた、劉先生による太極拳講義の資料と思われます。
あくまでも私の「個人的な見解」ですが、
劉先生は、「太極拳十三勢」を過去の固定概念にとらわれることなく、独創的な視点で解説されているところが素晴らしいと思いました。
具体的には、(表現が適切でないかもしれませんが)人体の構造を使って、分かりやすく図解している点です。
言葉で書けば簡単ですが、ここに書かれていることが、(正しいかどうかは別にして)自分なりに、太極拳をやっている中で、自然に頭に浮かんでくるようになるのに6年の歳月が掛かりました。
あまり関心のない方にとっては単なる紙切れにすぎないですが、私にとっては大切な宝物となりました。(先生、とても感謝しています。)
ところで、先生のお薦めもあり、半年経った平成22年10月にNHK教室に入り、いよいよ劉先生に直接指導を受けることになります。
さらに半年後からは名古屋駅近くの本部道場でも指導を受けることになります。
今回はここまでとします。
次回以降に、いよいよ劉先生が本格的に登場してきます。
乞うご期待を
23回伝統太極拳談議サロン
不老長寿 実と虚 第七話 廉譲堂太極山荘荘主
大人のためのファンタジ- 「人生夢の如し」
先日ある会合の懇親会で同席した方から今年も師走をむかえ1年が
経つのが早いですね、と声を掛けられ私も同感ですと答えた。
若かりし頃の1年は、千里の道を歩むが如く一日一日、朝から床に
就くまで様々な出来事を正面で受け、何とかこなし一日が終わる、
その繰り返しで大晦日をむかえたものです。年を重ねるごとに一日、
一月、春、夏、秋、冬がまるで本のページを指先でパラパラとめくり
読み終えた感覚がします。
一日の過ごし方が決して疎かになっているのではなく年の功をもって
思慮深く対応していると自負はしております。では一体何がその様な
感覚を起こすのでしょうか。
脳神経学的な見地はさて置き、少年期は日々全てが新しい出来事と
直面し判断、行動し経験を積んで行く過程であったと思われます。
学校での学習も、友達との遊びも、自然の変化も未知との遭遇かも
しれません。経験を積むごとに対応の仕方が累積、改善され応用力も
増してきます。人生の年輪が時間の距離を短くしているのかもしれ
ません。
太極拳を学ぶには練習時間の累積が必要だと劉会長から度々指導を
受けています。一挙手一投足を自分のものにするには先輩、師匠の
動きを模すことから始め、動作の経験を積むことにより身体の内面
から自然と動きが出来るようにする事です。
その過程は前述しまた人生そのものかも知れません。
私は太極拳と出会う前はジョガ-として毎日4km程度ジョギングを
していました。ある時、走っていると突然不思議な感覚が全身を
覆いました。それまで重たかった足が、乱れた呼吸が、破裂しそうな
心臓の鼓動がピタリと無くなり、軽やかな足、リラックスした呼吸、
走るスピ-ドも上がり自分は何処までも走れるのだと。驚きの経験を
しました。後にこれは「ランナ-ズハイ」で脳内物質のβ-エンドル
フィンが分泌されることにより陶酔感が起こった現象だと知りま
した。
では太極拳ではどうでしょうか、素朴な疑問ではあります。
医学博士で脳-腸相関(Gut-Brain interaction/axis)の研究をして
いる劉紅年会長によりますと太極拳運動により腸管表面粘膜の
セロトニンが活性化し幸福感が生じ48時間近くも持続するとの事
です。これを得るには持続した練習が必要です、なにしろセロトニン
が内因性で(人間は誰でも持っていますので)、活性化のためには、
自分が練習しないと;;;;;と詳しくは劉紅年会長にお願いする
として、いずれの現象も一朝一夕に現れるものでは無く、太極拳では
「只管打拳」まさに無我夢中で取り組まなければなりません。
(陰中有陽、陽中有陰、陰陽相済)それなりの練習経験・吟味時間、
師の教え等が必要です。
今年も「廉譲堂太極山荘」では皆様の太極拳に対する熱い思いで
様々な行事や練習、山荘内の草取り、竹林整備など身体を駆使して
一年を過ごすことが出来ました。
そして貴重な経験が蓄積できた事はこの上ない宝です。何故なら
時間軸が経験を積む事で短く感ずることが出来るからです。
言い換えれば少年期の1年は人生の熟達者では1日の感覚で過ごす
ことが出来るわけです。極端に言えば1年365日は365年と言える
わけです。
此処まできますと皆様は不老不死の仙人が住むと言われる中国
湖北省武当山の道士になれるのかもしれません。
2012年太極拳聖地への旅で皆さんと訪れた伝統楊式太極拳、
武式太極拳の故郷永年県がある邯鄲市に黄梁夢という寺院があり
その庭に「夢」と描かれた石碑があります。
芥川龍之介が黄梁夢という小説を書き邯鄲之夢として人生のはか
なさを描きました。
この話とは別に、私は現地のガイドさんから次のような説明を
聞きました。「夢」という字を上から分解すると「艹」これは
20歳を意味し人生では大人の仲間入りをして就職、就学の岐路に
立つ重要な時期です。次に「四」40歳を意味し人生では家族、
家庭、職場など人生で最も充実した時期です。そして「宀」60歳を
意味し職場では定年で働く人生の区切りです、これからは自分の
人生を自由に夢に向かって過ごすことが出来るのです。
更に「夕」80歳、90歳を意味します。人生の終焉で彼は家族、
知人らを前に楽しい人生を歩むことが出来ました、
「全て一瞬の夢の如し」と語ったと伝えられているとのことでした。
太極拳動作は「実」と「虚」を使い分け前の動作が今を演出し
次の動作へと繋いでいき連綿不断と続くのです。
まさに人生そのものではないでしょうか。
それでは皆様、2016年初夢で出会いましょう。
良い年をお迎えください!!!
会員皆様の太極拳に寄せる熱い思いを当サロンで思い切り述べて頂く
場として開設いたします。(ホームペ-ジ・ブログ内) 日々の練習
風景、太極拳で健康増進、太極拳理論解釈、太極拳に寄せる思い等、
皆様からの投稿をお待ちしております。
原稿は1,000字程度以内、所属教室名、氏名を明記して お手紙、
メ-ルなどでお寄せ下さい。随時掲載いたします。なお、個人情報
保護の観点からフルネ-ムの掲載ではなく、頭文字、ニックネ-ム、
名字、名前のみなどご希望をお書き添えください。
当サイトへの掲載は会員のみとさせて頂きます。
第1回 「不老長寿・実と虚」 廉譲堂太極拳山荘 荘主
H27.7.10 大安
機上から見下ろす夜景は燃え盛る炎のように赤々と揺らめいている。
先ほどまでの大都会の様々な地上の喧騒を上空から一望しているの
だ。
ニューヨ-ク・マンハッタン島を離陸し、島を旋回しながら高度
を上げ進路を西へと進めている。大都会の様々な人種、人間模様が
真っ赤な炎と化しているのか。しばらくして窓の外は先程の夕闇から
白いでいるではないか、そうか。アメリカ東海岸と西海岸では3時間
の時差があるのだ。自分が駐在している西海岸SEATTLEまで飛行時間
3時間とすると自分の時計は止まっているのか、さかのぼっているの
か? 地球の自転にあがなって進んでいるのは確かである。
自転と言えば山荘では太陽と月が相反する方角で対峙する様相を目
にする、そして太陽が沈み月光が輝く、月も三日月、半月、満月と
変化し楽しませてくれる。
さて、講釈はさて置き太極拳の練習に励むとするか。先ずは地球の
引力、重力を借りて「金鶏独立」と。
と。 突然ブ-ン、ブーンと蜂の襲撃音。 ハット目覚める。全て
うたた寝の束の間の夢か。でも今日は実と虚について大いに勉強に
なったのは事実だ。
続く….
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伝統楊式太極拳第5代伝人
伝統武式太極拳第6代伝人
中国伝統文化の華である伝統太極拳の普及と継承を目的とし2000年9月名古屋にて設立しました。
楊式太極拳創始者の楊禄禅先師は晩年弟子たちを前に太極拳の究極の目的を話しました。
弟子たちは秘伝の技の伝授を期待して集まっていたが先師の言葉はく「詳問用意終何在,延年益寿不老春」と答えたそうです. 日本語で太極拳の最終的な目的は,「アンチエイジング,心身ともの健康の実」であると。
司馬遷の「史記」によると紀元前3世紀、中国秦の時代に始皇帝の命を受け徐福以下3,000人の童男童女が東方(韓国、日本)に不老不死の霊薬を求めて船出しましたが霊薬は見つかりませんでした。
しかし、現代不老長寿の術はあります。それは太極拳です。
歴史のロマンと現代社会を生き抜く術を学びながら医学的効用について解明を図ってまいります。
医学博士会長 劉 紅年